酪農と子育てを応援する鶴居村で無理のない暮らし
髙橋智久さん、祥代さんご夫婦は二人とも実家が酪農業という環境で育ちました。祥代さんは牛が大好きで小さい頃からよくお手伝いをしていたそう。一方、智久さんは酪農に無関心。ただ、おぼろげに自分が高橋農場を継がなくちゃという思いはありました。
縁があり、ヘルパーとして鶴居村で働きはじめた祥代さん。道東の酪農業のスケールには驚きと夢がいっぱいでした。「実家とは違う、憧れていた酪農がここにあった!」智久さんとの結婚とともに、鶴居村で夢が叶うのが嬉しかったそうです。
「鶴居村は乳質No.1になったこともあり先人が残した功績は大きいですね。自分も引き継ぐ以上、先代の想いや努力に恥じないよう頑張りたい」と智久さん。時代に沿って最新技術を取り入れたり、職場環境の変化を遂げる酪農業を体感しながらも、幼い頃から牛と一緒に育ってきた二人の牛への愛情は深い。「一頭一頭に目を配りしっかりと管理をすれば、牛も安心してくれる。人間が携わった分、牛は応えてくれるんです」。
また、祥代さんの楽しく一生懸命に働く姿を見て感化されたこともあるそうです。「最初は牛づくりに興味が持てなかったけど、いつの間にかハマってました。」牛のコンテストとも言える『共進会』に積極的に参加する祥代さんの影響で、牛づくりにのめり込むようになった智久さん。「彼の一生懸命な姿が嬉しかった」と祥代さんも笑顔。酪農のプロフェショナルを目指して、二人はこれからも邁進していきます。
鶴居村は基幹産業の酪農へのサポートが整っていて、とても暮らしやすいと言います。酪農家への乳質奨励金や村民への牛乳券配布、子供を預けて働ける保育園の整備など、働く環境や子育てのバックアップが手厚く、「うちの農場にも、赤ちゃんを保育園に預けて働くパートさんが来てくれて助かっています」とのこと。
酪農や子育てを通して地域の先輩達、親世代とも交流を深め、情報交換や知恵をもらうことも。人との繋がりに感謝しているといいます。次の世代たちにも積極的に交流してほしいと思うけれど無理強いはしません。「牛も人間も同じで、無理させない環境って大事なんだと思います」。みんなが楽しそうに働き安心して暮らすのを見て、自発的に酪農に興味を持ってもらえたらと。
「鶴居村の牛乳をもっとPRして、たくさんの人に飲んでもらいたいです。いつか『鶴居牛乳』のブランドができたら面白いなと思いますね」と、ふたりの牛と一緒に暮らす夢は続きます。